2017年にプレイしたノベルゲームランキングBest20
2018年も半分に差し掛かりました。
というわけで、2017年にプレイしたノベルゲームを振り返ってみたいと思います。
2018年ではなく、2017年なので注意してください。
さて、某空間ベースでの2017年のプレイ本数は260本、うち新作は120本でした。
*新作=某空間ベースで発売日が2017/01/01~2017/12/31のもの
振り返ってみると、自分にとって2017年はゲーム人生の節目と言える年になりました。
死ぬほど好きなゲームに出会えたことは、人生において望外の喜びであり、生きてきてよかったと素直に思えます。
本当にありがとうございました。
さて、早速ランキングに移っていきましょう。
ネタバレは基本的になしですが、微ネタバレはありです。
<2017年にプレイした作品 20~11位>
20位 『FLOWERS -Le volume sur automne- (秋篇)』(非18禁) (Innocent Grey) (2016-05-27)
とある事情から学校に通わず祖父のもとで暮らしていた少女、白羽蘇芳(しらはね すおう)。 彼女は、この春から「聖アングレカム学院」に入学することになった。
蘇芳が心惹かれたのは、この学院の「アミティエ」と呼ばれる制度。 学院側で生徒同士を「友人」に指定し、学院生活を共にさせるというものだ。 他人に心を閉ざしてきた蘇芳も、ここでなら友達を作ることができるかもしれない。
学院で蘇芳を待ち受ける様々な人達との出会い、そしてちょっと不思議な事件の数々。 いくつもの出来事を通して、蘇芳は本当の「友達」、あるいはそれ以上の存在を得ることができるのだろうか。
(FLOWERS 春篇)
秋篇単体だとプレイ時間は6h弱くらい。シリーズ併せて22hほど。
この「FLOWERS」という作品は、春夏秋冬の4分割です。
本作は秋篇であり、その3作目にあたります。
メーカー公式のジャンル名は「百合系ミステリィADV」となっており、内容は百合初心者の私にもとっつきやすかったです。
ネリネ・譲葉ペアに焦点が当たる今作ですが、ネリネの人格というか設定が印象深いです。秋篇までに積み上げてきた人間関係を活かして助け合う展開が多く、すっと内容が入ってくるだけでなく、ぐっとFLOWERSの世界が好きになりました。
いちゃつきのニヤニヤ具合は千鳥・えりかペアが群を抜いていると思います。
やはりえりかが一番人気なのでしょうか。
FLOWERSのライブも楽しみです!
19位 『時計仕掛けのレイライン -陽炎に彷徨う魔女-』(PSV)(非18禁) (dramatic create) (2017-04-27)
山奥にそびえたつ大きな時計塔のある全寮制学園に新入生としてやってきた主人公。
しかし、初登校の日にいきなりトラブルに巻き込まれ、学園の入り口にある高価そうな像を壊してしまう。
学園長から、弁償の代わりにしばらく働けと指示された主人公は、
トラブルの原因となった一人の男子生徒と共に『特殊事案調査分室』に配属されることに。大きな地下図書館の奥にある分室の部屋に行ってみると、そこには無関心な様子で一人の少女が待っていた。
わけもわからないまま、二人は少女から告げられる。
この学園では、本物の魔術が生きているのだ―――と。
時計塔の鐘の音と共に、学園には『夜の世界』が現れ、校舎と一体化するのであると。
分室の仕事は、学園で起こるあらゆる魔術的な問題を解決すること。
こうして主人公たちは、様々な『遺品(ミスト)』に翻弄されながらも学園のために奔走することになるのだが――。(vita版公式サイトより)
プレイ時間はシリーズ併せて15hくらい。
PC版でも十分面白かったレイラインシリーズの全年齢移植版です。
vita版=PC版3部作+追加シナリオ で、えちしーん必要ないよって人はvita版をオススメします。
ベタ移植であれば本編がいくら面白くともランキングには入れなかったのですが、追加シナリオも本筋に関係あるよう展開していたのが良かったです。
適当に付けましたではなく、序章のあたりから少しずつシナリオが追加されていたのも好感触。
男女もので主人公とヒロインのペアが良い作品は?と聞かれたらレイラインがぱっと浮かんでくるので、多分思ってるよりこのシリーズのことがすきなんだと思います。
王道で順当に面白いのではないでしょうか。
18位 『Re;Lord 第三章 ~グローセンの魔王と最後の魔女~』 (Escu:de) (2017-07-28)
剣と魔術が存在する世界―― その中でも、魔族たちが暮らす国の話。
魔界と呼ばれる地域は、未曾有の危機に瀕していた。
厄災の魔女と呼ばれる事変。突如 出現した彼女たちは、自身を魔女と称し、たった3人で魔王国ザールラントの領土を侵略した。
強大な力を持つ彼女らにより、平和ボケしていた魔族は為す術も無く、魔王国ザールラントの領土グローセン州を明け渡すことになる。
決定打となった彼女たちの力、それは “相手の姿を自在に変化させる” というものだった。魔女の出現から半年後――
魔女によって支配されるグローセン州民の大多数が、メルヘンな生物に変わり果ててしまった時から物語は始まる。
(Re;Lordシリーズ あらすじ)
プレイ時間はシリーズ全て併せて15hくらい。
適当に選んでたら3連続でシリーズもの...
2017年に発売されたRe;Lordシリーズの最終章?がランクイン。
1・2章は個人的にそこまでなんですけど、3章は伏線がバンバン回収されていき、熱い展開も多く楽しめました。
シナリオライターは西村悠一さんで、「古色迷宮輪舞曲」の人ですね。
売り上げがよければ新章が制作されるとのことで、どうなるのでしょう。発売されたらぜひ買いたいのです。
プレイしてみたい!という方は、Re;Lordシリーズもお得なパック版が発売されているので、それを購入すれば大丈夫です。
17位 『月影の鎖 ~錯乱パラノイア~』(PSV)(非18禁) (TAKUYO) (2015-12-23)
「残月島(ざんげつとう)」。
本土から遠く離れたその小さな島は、温泉街と花柳街が要となる知る人ぞ知る観光地である。
島唯一の街である「紅霞市(こうかし)」の商店街で小料理屋を営む主人公、冬浦めぐみは兄と2人暮らしをしていた。
かつては観光客で賑やかな街だったが近年では客足の減少もとどまる所を知らず、 更に1年前に起きた震災の影響も重なり、観光産業に依存した街の財政難は悪化の一途をたどる。
そんな島の現状を立て直すべく、市長から相談役として招かれ本土から上陸してきた深海尊人。
コンサルタント会社を経営する深海が解決策として持ち出してきた駐屯地の誘致案に、 住民達は不安を隠せずにいた。
一方で、街の治安維持活動にあたる紅霞青年団は、駐屯地誘致の反対を訴え住民達の希望となっていたが、 代わりに提示された水道税の実施、物価の上昇、物資の購入制限など、これらにより住人達には更なる混乱を招く事となり、めぐみも例外なくその渦に巻き込まれ、穏やかな暮らしはおびやかされていくのであった。
これは激動の時代を必死に生きる人々の戦いの記録である。
(公式サイトより)
プレイ時間は13h強。
普段あまり女性向けはプレイしないのですが、乙女ゲーでは現状「月影の鎖」が一番点数高いです。
蝶毒リパケが今年の夏発売予定なので楽しみですね。
さて、どの√もBADというか共依存エンドが結構よかったのですが、神楽坂√が特にすきで泣きそうになった記憶があります。
神楽坂依存>理也BAD>理也依存>神楽坂HAPPY
FDの護お兄ちゃん√もよかったです。
俗にいうメリバっぽいのは好みなので、そういうのに興味ある人はどうぞ。
16位 『カサブランカの蕾』 (DOLCE) (2017-05-26)
----あらすじ----
ドクドクドク……ッ。
真っ赤に燃えたぎる欲望が全身を駆け巡った。
ドクドクドク……ッ。
真っ黒で、薄汚い情熱が迸る。
真っ白で穢を知らないその花を。
真っ白でカレンで、触れる事さえ許されない君を。
染めたい、染めたい、染めたい。
僕の色に、僕のモノに、僕の愛に。主人公の成瀬イツキはまだ知らなかった。
それが、平穏で穏やかな日常の自分の中に潜む……。
本当の姿だった事を。椎名ユリと恋人として過ごす日常。
その影でとある事をきっかけに平山ミクと四條カナと関係を持つ事となってしまう。
背徳的で、破滅的で、異様な関係。
カサブランカの蕾はまだ開かない。(公式サイトより)
2017年発売の作品です。
プレイ時間は10h弱くらい。
MORE系列の(雑な)抜きゲーか~~~~くらいの気持ちでプレイしたら、意外や意外、好みのものが突然出てきたので本当に驚きました。
紹介しておいてあれなんですけど、事前情報なしでプレイするほうがいい気が...
少しだけ付け足しておくと、「FLOWERS」秋篇のネリネを高評価する人には刺さりやすいんじゃないかと勝手に思っています。
同ライターの『シャムロックの花言葉』も6月発売予定なので必ず購入します。
15位 『夏ゆめ彼方』(非18禁) (ペットボトルココア(同人)) (2017-09-07)
----ストーリー----
父親との死別で塞ぎ込んでいた『天才小学生』朝川桂一は、ある日『神様』を自称する巫女服姿の少女と出会う。
少女との交流の中で、桂一は将棋のプロ棋士になりたいという自らの夢を思い出していく。夏×伝奇×将棋!
『夢』をテーマにしたノスタルジックな青春ノベルゲームです。(ふりーむより)
2017年にペットボトルココアさんから配布されたフリゲです。
プレイ時間は3h強で、ぎゅっと纏まっている良作ですので、気になったら今すぐプレイしてみてください!
小学生時代の話って、なんか郷愁を感じるというか、良い作品だと胸をぎゅっとつかまれるような感覚がしてすきです。
DLはこちらから↓
14位 『月に寄りそう乙女の作法2.1 E×S×PAR!!』 (Navel) (2017-05-26)
息の長いつり乙シリーズのうちの1作。
本編たるアフターよりも過去話である0のとあるシーンがものすごくよかったです。
そのキャラのことが元から好みだったのもあるんですが、エロゲ界屈指の名告白シーンだったと思います。
たった1シーンだけでも非常に好みだったのでこの位置に来てます。
13位 『妖精』 (ALICESOFT) (2000-07-06)
----シナリオ----
第一幕
[翅]
20世紀の初頭。西欧の都市。
そこで画家として充分な名声と
待遇を得たにもかかわらず、
主人公の青年は繰り返す日々
に虚無感を感じていた。そんなある日、
彼は雪が降り始めた帰り道で
空から落ちてきた [それ] と
出会うのだが----。(公式サイトより)
発売が2000年と割と古めのゲームで、プレイ時間は4hほど。
アリスソフトさんより発売された『See In 青 ~シーンAO~』のおまけディスクである「アリスCD Ver2.01」内に収録されています。
内容は二幕構成で、好みだったのは第一幕のほうです。
普段なら気にも留めないような、けれど確かにそこにあるものに思いを馳せることができる作品。
「頬を撫でる優しい風に祈ります。幼い頃の優しい記憶を掘り起こす、季節の匂い。いつまでも、変ることなく、私たちの側に在りますように……。」
12位 『ChronoBox -クロノボックス-』 (NO_BRAND) (2017-05-26)
こちらについては過去に当ブログで感想をあげましたので省略します。
にわかわにわかわ~~~
同製作陣による完全新作も楽しみです。
ディレクターさんのユーザーとの距離感を見るに、次回作ではクラウドファンディングでも使うんじゃないかと予想しています。
11位 『ルリのかさね ~いもうと物語り~』 (ねこねこソフト) (2017-10-27)
舞台は現代、郊外にある小さな神社。
その神主の一人息子であった主人公は、
高校生の時に親戚の子である初駒ルリと出会う。
まだ幼いルリとケンカしながらも、いつしか親しくなってくるのだった。そんなある日、二人はお互いの両親を事故で同時に亡くしてしまう。
他に身寄りもなく突然、天涯孤独となった二人。
ルリはまだ小学校に入ったばかり、主人公も高校生だった。
悩んだ末に主人公は、ルリと二人で生きることを選ぶのだった。(公式サイトより)
2017年の新作で、プレイ時間は10hほど。
楽しみにしていた作品で、深夜販売からノンストップでコンプした記憶があります。
途中"?"となる箇所もあったのですが、ちゃんとラストには号泣してしまいました。
分かっていてもずるいですよね、あれは。
ED曲の「風音~kasane~」を聴くだけで涙が込み上げてきたこともありました。
ねこねこ作品は早いうちに全作品プレイしたいです。
<2017年にプレイした作品 10~1位>
10位 『向日葵の教会と長い夏休み』 (枕) (2013-03-29)
――雲間に隠れていた太陽が姿を見せると、夏が覆いかぶさってきた。
明日葉陽介(あしたば・ようすけ)は、8年ぶりに帰ってきた。
彼の人生で恐らく最も重要な日々を過ごしたであろうその場所に。
地に咲く太陽をほこらしげに立つ小さな建物・朧白(おぼしろ)教会、
あるいは向日葵の教会に。「よ──くんっっ!!!!」
「ほんとに、本当によーくん!?」
「ああ、ただいま」
8年前と変わらずに彼を迎えてくれる少女・詠(よみ)
会いに来る少女・金剛石(だいや)
待っていた少女・ルカ
そして、新しく出会う少女・ヒナ。取り壊されてしまう教会を前に、
ボロボロになっていた思い出の場所を再生していく、
ノスタルジックな海辺の教会を舞台にした、明るく爽やかで、しかし切ない、ひと夏の物語──。
(公式サイトより)
プレイ時間は20hくらいかかったので、結構長め。
ベスト10入りしたのは曲補正が大きいです。
雛桜√の「さくらとことり」は反則級ですね。ケロ枕LIVE、2公演とも最高でした。
詠√も結構好きで、「希望の前で待ち合わせ」はプレイ前後で一番印象が変わった曲でした。
自分の中ではゲームの内容だけでなく、ライブなどもそのコンテンツの一要素とみなしているっぽいです。
9位 『ノラと皇女と野良猫ハート2』 (HARUKAZE) (2017-10-27)
ノラがネコになるという事実が発覚してから、数週間。桜ヶ淵に夏が来た。
海の家のアルバイトでがっつり稼ごうとするノラやその仲間たち。ところが突然、辺りが雪の世界に包まれる。
その元凶は、冥界からやって来たとある少女。
パトリシアに対抗心を燃やす彼女は、忘れさられた氷の国からやってきた皇女・アイリスだった。
アイリスは得意の魔法でノラたちの学園を氷漬けにしてしまう。
果たしてノラたちは一体どうなってしまうのか。
絶対キミと添い遂げる、臆病で勇敢なブレイブストーリー(公式サイトより)
2017年発売の作品。
評価点は唯一、ノブチナ√。
「Dear world -the one-」「Dear world -Re.-」や「Humanity」の頃の"はと"さんが漸く帰ってきたんだと、それだけで本当にもう嬉しかったです。
同人から商業に移ってからは、同人初期で特徴的かつ魅力だった共同体や家族関係のテキストが鳴りを潜めていました。ひょっとしたらもう"はと"さんの描きたいものはすっかり変わってしまったのかと、"はと"さんの新作を買う度に不安になっていたりもしたのですが、やっと一安心です。
次回作が非常に楽しみになりました。
--------ネタバレにつき反転-----------------
でも、ノブチナ√に不満がないわけでもなく、特に最後のシーンでノブチナと〇〇が出会ってしまう展開は同人の頃だと考えられず、そこがちょっと悲しかったです。
------------反転ここまで----------------------
8位 『オヤジGO!』(非18禁) (TGC(定例会ゲーム部)(同人)) (2013-12-31)
大手広告代理店に勤める大野進(42歳)は、典型的なダメオヤジだ。
何の実益も無い名ばかりの閑職に付き、細々と雑務をこなす日々。息子は情けない父の背中に失望し、
娘は自分を理解しない父を毛嫌いし、
妻は外に男を作っているとまで、近所に噂されている。それでもまた、かろうじて家族の絆は繋がっていた。
──大野さん、次のリストラ筆頭候補に上がってるってよ
失業、そして来るべき、一家離散の危機。
絶望し、薄暗い屋台で浴びるように自棄酒を飲んだ主人公は、
その帰り道にオヤジ狩りに会ってしまう。──ひどい顔をしていますよ?
窮地を救ったのは、さっそうと現れた、名も知らぬ壮齢の男性だった。
襲い掛かる若者たちを軽くあしらい、地に伏す主人公にそっと手を差し伸べる。
その手を握り、これまでの顛末をとうとうと語る主人公に、男性はそっと告げる。──そこまで来たのなら、とるべき道はひとつでしょう?
立ち上がるのです、ひたすら、明るい方を目指して家族の絆を取り戻すため、今、オヤジは再び立ち上がる。
(販売サイトより)
値段は648円。プレイ時間は4h。
公式ジャンルは「オヤジ育成シミュレーション・ノベルゲーム」
名前も色々と先取りしてしまっているせいで、検索をしてもポケモンGOをやっているおやじのブログとかがヒットしてしまいます。
一見すると色々とパンチが効いているように見えますが、内容は実に王道で真っすぐに熱くなれる読後感爽やかな作品です。
これをプレイし終わった後は、こぶしを突き上げ「オヤジGO!」と叫んでしまうこと請け合いです。
皆も是非プレイしてみよう!(2018/06/01時点:販売数12)
7位 『僕は天使じゃないよ』 (130cm) (2005-04-28)
舞台は震災の影響まだ色濃い大正末期から昭和初期の東京…
希望に満ちた華やかさもいつしかズルリと腐り落つ。
出口の見えない不景気とジワリと近づく軍靴の響き。
時代はくだんの『漠然とした不安』にドロリと沈み込みゆく。社会不安は知識人に重大な知性の危機をも引き起こした。
深刻な自己喪失に直面した彼らは刹那の刺激に逃げ場を求める。
麻薬のように刺激を渇望し、酸鼻極むる倒錯の世界へ身を投じる男女の狂態。不安を仮面に隠した紳士淑女が群がるサドマゾ恍惚の宴。
打てども打てども、この絶望は消えぬ。
ひたすら堕ちゆく、投げ込まれし小石の如く。甘美な『死』の誘惑と、苦渋に満ちた…しかし決して捨てえぬ『生』への執着。
表裏一体の自己愛と自暴自棄。退廃の鈍い光に照らされ浮かび上がる、エゴの歪みのグロテスクな美しさを見よ。
悦虐の果てに魂の救済はあるのか?
人間の業に刃を突き立てるSMゲームの新しいアプローチ。
表現の全てが未体験の世界。退廃に彩られた絢爛なる舞台。まるで踊るように人物が絡み合う。
彼らのたどる数奇な運命。
醜悪さに潜む背徳的な美しさ。反道徳的であることへの快感。
初めて体験する混乱と興奮。
徹底した唯美快楽主義。(販売サイトより)
2005年と少し古めで、プレイ時間は10hほど。
あらすじだけ読むと純粋なSMゲーっぽいのですが、SM要素はそこまで強くありません。
簡単に言えば、醜い容貌にコンプレックスを持ち、かつSMに興味を持つ、人でなしの主人公が、どこか欠けている代わりにどこか飛び出した、歪な女性たちに魅惑され翻弄され破滅する物語です。
確かに、傍から見ると破滅なのかもしれませんが、主人公たちにとっては時に救済となりえます。
雰囲気の良いテキストに、内容もしっかりとしたものが伴っている点が非常に良いです。とはいえ、SM要素がきちんと根幹に関わっている√も多いのも〇
終章も当然良いのですが、個人的にはやはり柘榴TRUE推しになります。
瀬戸口作品とかStarTRainの神崎蓬√が好きだと刺さる可能性は高いと思います。
パッケージ版は(なぜか)急騰したので、4000円くらいのDL版のほうが手軽かもしれません。
「それはおだやかにゆるやかに......」
6位 『DEARDROPS』 (OVERDRIVE) (2010-06-18)
菅沼翔一は若くして才能を発揮し、海外のオーケストラで将来を嘱望されたヴァイオリニストだった。
とある事情で、その楽団での居場所を失うまでは……。
音楽家としての道を閉ざされたと感じた翔一は、自分の愛器であるヴァイオリンをも手放し、失意のまま帰国するものの、オーケストラ追放と楽器を勝手に手放したことで親の逆鱗に触れ、勘当同然の身となり、行く当てもなく無為に過ごす。そんな折、ひょんなことからライブハウスに住み込みで勤めることになった翔一は
自分の知らなかった「世界」に触れることになる。まったく違う場所で、それぞれの「生き方と音」を主張し続けてきた不器用な人間たちと出会い、呼応することで、バラバラな人生の線は絡み合い、絆となって未来への道標となっていく。
翔一と運命の出会いを果たす仲間たちは、過去や試練を乗り越えることで、
個人として、バンドとして、どのように成長していくのか……。(公式サイトより)
プレイ時間は16hほど。
挫折した人間がそこからどう立ち直っていくのかとか、頑張れなくなった人がもう一度頑張れるようになる、もしくはならないようなシナリオが自分にとって非常に刺さりやすいです。
律穂√の出来が飛びぬけているので、最後にプレイすることを強くお勧めします。
「Noisy スイートホーム -Story Edit-」はとても思い入れのある曲になりました。
作中で流れるシーンで号泣したことは勿論なのですが、自分を元気づけたい時にも必ず聴きます。
そこまで思い入れが強くなったのも、やはりライブの影響が色濃いです。
2017/9/18、新横浜NEW SIDE BEACH!!、
Prico with DEARDROPS「-THE END OF STORY "REVENGE"-」最終公演
アンコールラストでの怒涛のDEARDROPS全楽曲メドレー
飛び跳ねまくって汗だらだらで、顔面も涙でべちょべちょで、でもそんな皆が確かに一つになっていた、本当に最高としか言いようのない完璧なライブでした。
紛れもなく最後にして最高の舞台。
このライブのことを思い返すだけで、今でもあの熱狂の只中にいるような、そんな熱量が体の底から湧き上がってきます。
DEARDROPSというコンテンツを大好きなることができて、心の底から感謝しかないです。今までお疲れさまでした!!!!!
「歌い続け 歌い続けないと 埋もれてく、ノイズに。 進むべき道はもう見えてるんだ
No music, No future.」
5位 『親愛なる孤独と苦悩へ』(非18禁) (楽想目(同人)) (2017-05-06)
内田姫紗希、那古龍輔、都宮海、
現代を生きる、その大学生の若者達は悩んでいた。夢、目標、就職、人間関係、親、
そして性格、思考、自分自身……。
彼らは今と未来が掴めなかった。「カウンセラー」とウェブ検索を掛けたインターネットの果て、
39ページ目。
この上なく簡素なホームページでありながら、強気な宣伝文を構え、
何故か無料の不思議なカウンセラー、
まこちゃんこと、橘真琴との出会い。
彼らの心はどう変化し、どの道を選び、進むのか?それぞれの最後を見届けよう。
(公式サイトより)
公式サイト:親愛なる孤独と苦悩へ-楽想目
製作は楽想目さんなのですが、現在はやんごとなき事情により以下のサイト様にてフリー配布されています。
フリー配布サイト様:楽想目
プレイ時間は15hほど。
「心理学?カウンセリング?どうせ、説教臭い何かなんでしょ?」と思われる方がいるかもしれませんが、この作品はそうではないです。
その人の悩みにそっと寄り添い、このつらいことに対処するためにはこういう考え方もあるよね、と提示してくれるような感じです。
それでいてその悩みが、「仕事が憂鬱」「夢や目標、やりたいことがない」「人間関係の不安」など、今を生きる人々にとって特に切実で逼迫したものを真摯に扱っています。
等身大のリアルな悩みに悉く触れてくれるという点で、この作品は希少ですし、その内容もしっかりとしています。
少なくとも私は、プレイ後に少し気持ちが楽になりました。
個人的に好きなのは、第2章。
就職を控えるも「夢や目標、やりたいことがない」大学生のお話。演出も相まって、一番心に残っています。
ちょっとでも興味を持ってくれた方は是非プレイしてみてほしいです。
全ての意味を感じよう―
4位 『キリンの国』(非18禁) (スタジオ・おま~じゅ(同人)) (2014-09-10)
果てしなかった夏。
群青の空のした。
少年は皆、旅人だった――やがて季節はめぐり、少年たちは大人になる。
誰しもにあった、少年という時代。
永遠にも思えたあの頃の夏へ。
貴方をもう一度、連れていきたい。
(ふりーむより)
ダウンロード&公式サイト:キリンの国 – Studio・Hommage
Studio・Hommageさんの「国シリーズ」第2作が、この『キリンの国』に当たります。個人的に今一番面白く、かつ勢いがあり盛り上がっていると感じる同人シリーズです。
魅力的なのは、なんといっても人物の掘り下げ方の深さ、巧みさ。
登場人物たちは、みなこの世界で確かに地に足をつけ、総体としての人生を背負った上でプレイヤーの前に現れます。
加えて、「国シリーズ」には共通する設定があり、相当練り上げられているためハリボテではない世界に触れることができます。
ロケハンも重ねているので、時代・地理考証もしっかりとしており、文句のつけようもなく作品世界に浸ることができる優れた作品群だと思います。
気になる「国シリーズ」のプレイ順ですが、現在は3作発表されており、プレイ順は下記がおすすめ。
①『みすずの国』(フリー)
(→①' 「早春賦」:みすずの国後日談である漫画)
早春賦 - hommage - BOOTH(同人誌通販・ダウンロード)/漫画「早春賦」 – Studio・Hommage
→②『キリンの国』(フリー)
→③『雪子の国』(DL版あり)
Studio・Hommageさんの「国シリーズ」は本当に心の底から大好きな作品なので、今後も力の限り追っていきます。
新作の『ハルカの国』も死ぬほど楽しみです!
「ここから抜け出そう。綺麗なものを見にいこう。わくわくすることをしようぜ」
2位は思い入れの深い2作品を選びました。
2位 『闇鍋企画』(非18禁) (信じた馬鹿が俺だった(同人)) (2015-03-19)
過去作、魔法少女、昴の騎士、OTOZ、えるまに、のファンディスクにあたるSRPG
既プレイ前提のため難易度高め。(公式サイトより)
公式サイト:信じた馬鹿が俺だった
ダウンロード:
プレイ時間:50~60h(闇鍋企画単体)、150h(シリーズ全作)
説明にもある通り、この『闇鍋企画』はTSさん(TS (@ts_tassan) | Twitter)が製作されたゲーム群からもキャラが登場する名前の通り"闇鍋"なSRPGです。
そのため、十全に楽しむためには過去作の全プレイが必須なのですが、合計で150時間ほどのプレイ時間を要求されます。
それを超えてでもプレイする価値は十二分にあるので、頑張ってください。
『闇鍋企画』の凄いところは、クロスオーバー的な面白さをこれでもかというほど活かしきっている点と、新キャラ含め世界設定とシナリオが面白い点です。
これだけの長さのを纏めきれている点も素直に凄いと思います。
A作品のこのキャラとB作品のこのキャラとの絡みが見たかった!とか、未登場だったこのキャラが!みたいな"キャラ"面と、盛り上がり滾る怒涛の展開という"シナリオ"面が、新キャラの登場と舞台設定により見事に両立しています。
総勢70名近くのキャラが新旧入り乱れ活躍する様は、もう本当に最高でした!
オススメのプレイ順を書いておきます。出た順です。
『えるまに』『OtoZ』『飢猫伝』あたりはしんどいかもしれませんが、そこは気合で。
①『えるまに』
②『OtoZ』
③『飢猫伝』(短い)
④『昴の騎士』(王道で好き)
⑤『魔法少女』(普通に面白い)
⑥『闇鍋企画』(神)
⑦『Heartium』(闇鍋後にプレイがおすすめ)
好きなキャラ:カペラ、唯、唯&遥、シー、フェンリル、ルーティ、ガボ、オー&フォルツォ、千代子&遥、チャコ、アリス、せつな
みんな好きなので、わいわいするこの空間をもっと楽しみたかった...
2位 『SeaBed』(非18禁) (paleontology(同人)) (2016-01-25)
リビングで亡霊を見た。
それを見るのは慣れたもので、私は気にせずに夕食を作って食べる。
亡霊は私の作った卵焼きを食べて美味しいと言った。
私は彼女の話を聞きながら、彼女と暮らした日々のことを考えた。
彼女は学生時代の私に「私達が一緒にいるために必要なものはなにか?」、と尋ねた。
誰にも頼らずに稼ぐための小さな職場。
なんでも自由にできる静かなマンション。
と、私は答えた。
80年代後半。
経済絶頂の最中、ふたりで始めたデザイン事務所の業績は上向いていた。
学生時代にふたりで話しをしていた南の島、中世の街、西海岸。
行きたい場所へ行って、見たいものを見て回った。
私は広いリビングでどうしてこうなったかを考えてみた。
ふたりが殆ど無敵だった時代は過ぎていた。
私はあの頃のようになんでも出来る気はしなくなっている。
この世界はとても複雑になって、ことをなすのは難しくなった。
以前にふたりが使っていたルールブックは無効になり築いた城は崩れ去っていた。
「あなたと一緒にいるために必要なものはなに?」、と亡霊に聞いてみる。
今までにない新しい場所を準備する必要がある。
新しい場所は誰にも壊せない。誰の手も届かないような場所にしよう。
そして私は誰にも気づかれないように静かにことを運ぶ。
深く、深く、誰にも見つからないような場所で。(公式サイトより)
プレイ時間15hほどの社会人百合作品。
『SeaBed』も本当に大好きな作品なので、前にブログ記事で感想を書きました。
作品紹介もしているので、気になる人は見てもらえると嬉しいです。
随分と気合を入れたので、これ以上のことは今も多分書けない...
いまだと、Steamで英語に対応した高画質版が出ているので、今からDL版を購入する方はそっちのほうがおすすめです。
貴呼と佐知子の関係性が本当に良きです。
1位 『雪子の国』(非18禁) (スタジオ・おま~じゅ(同人)) (2017-08-11)
山陰の怪談って知ってる?
でるんだってね。キリンの国(2014ふりーむゲーム大賞大賞受賞)、みすずの国(2014ふりーむゲーム大賞ノベル部門金賞受賞)の続編、雪子の国。
舞台は風光明媚な地方城下町。
そこでは不可解な連続怪奇事件がおこっていた。夜な夜な屋根にのぼる、少女の霊。
神社に灯る、狐火。
人を取り込む、峠の魔。
五十年前の神隠し。全ての謎は、一つのメッセージへと帰結していく。
「俺たちで謎を解き明かそうぜ!」
東京の少年ハルタと天狗の少女雪子がおくる、青春ハートフルラブコメディ+地方都市ミステリー!
やがてくる冬は、最後の冬になる。
少年と少女でいられる最後の時を、鮮烈に駆ける、今を生きる物語。(ふりーむより)
プレイ時間:10hほど
Studio・Hommageさんの「国シリーズ」最新作、『雪子の国』。
本当に最高すぎて語るべき言葉を持たないです。
猪飼もハルタも、どうしようもなく死ぬほど刺さりました。それこそ、人生に影響が出るほどに。
自分にとって、今までプレイしてきたゲームの中で間違いなく一番の特別です。
このゲームに出会えたことにひたすらの感謝を。
少し長くなってしまったので、1~20位まで列挙しておきます。
- 20位 『FLOWERS -Le volume sur automne- (秋篇)』(非18禁) (Innocent Grey) (2016-05-27)
- 19位 『時計仕掛けのレイライン -陽炎に彷徨う魔女-』(PSV)(非18禁) (dramatic create) (2017-04-27)
- 18位 『Re;Lord 第三章 ~グローセンの魔王と最後の魔女~』 (Escu:de) (2017-07-28)
- 17位 『月影の鎖 ~錯乱パラノイア~』(PSV)(非18禁) (TAKUYO) (2015-12-23)
- 16位 『カサブランカの蕾』 (DOLCE) (2017-05-26)
- 15位 『夏ゆめ彼方』(非18禁) (ペットボトルココア(同人)) (2017-09-07)
- 14位 『月に寄りそう乙女の作法2.1 E×S×PAR!!』 (Navel) (2017-05-26)
- 13位 『妖精』 (ALICESOFT) (2000-07-06)
- 12位 『ChronoBox -クロノボックス-』 (NO_BRAND) (2017-05-26)
- 11位 『ルリのかさね ~いもうと物語り~』 (ねこねこソフト) (2017-10-27)
- 10位 『向日葵の教会と長い夏休み』 (枕) (2013-03-29)
- 9位 『ノラと皇女と野良猫ハート2』 (HARUKAZE) (2017-10-27)
- 8位 『オヤジGO!』(非18禁) (TGC(定例会ゲーム部)(同人)) (2013-12-31)
- 7位 『僕は天使じゃないよ』 (130cm) (2005-04-28)
- 6位 『DEARDROPS』 (OVERDRIVE) (2010-06-18)
- 5位 『親愛なる孤独と苦悩へ』(非18禁) (楽想目(同人)) (2017-05-06)
- 4位 『キリンの国』(非18禁) (スタジオ・おま~じゅ(同人)) (2014-09-10)
- 2位 『闇鍋企画』(非18禁) (信じた馬鹿が俺だった(同人)) (2015-03-19)
- 2位 『SeaBed』(非18禁) (paleontology(同人)) (2016-01-25)
- 1位 『雪子の国』(非18禁) (スタジオ・おま~じゅ(同人)) (2017-08-11)
2017年のゲーム体験は自分にとって得難く忘れられないものになりました。
85点以上をつけられた作品が10作品以上あったので、プレイした分については大豊作でしたね。
2018年も期待できそうな作品がまだまだあるので楽しみです。
上半期では、新作だとある作品がずば抜けていてそれ以外はパッとしない印象がありますが、面白い作品が出てくるといいですね!